膨張
1920年代一般相対性理論に従い、ソ連のフリードマン、ベルギーのルメートルらにより宇宙の膨張が論議され、ロバートソン、ハッブルらの小宇宙観測によりスペクトルの赤方偏位から後退速度が距離に比例するという速度距離関係が確認され、この膨張宇宙の考えは確定的になってきました。イギリスのホイルらは、小宇宙が次第に後退し、その膨張により、分布がまばらになるのを埋め合わせるだけ、小宇宙が誕生しなければならない。つまり物質の創造により宇宙はいつ、どこでも常に同等であるという定常説を唱えた。しかし発見された恒星状天体のあるものは、数10億光年の位置で光速度の80%もある巨大な後追速度を示し、いいかえれば数10億光年以前にすでに膨張を示していることは、定常説では説明できず、ホイルはこれを唱えることをやめました。
小宇宙のスペクトル線は遠方のものほど赤色へのずれが大きく、これを視線速度に直すと、距離600万光年のおとめ座小宇宙団は毎秒1200キロ、1億光年のしし座は2万キロ、2億5千万光年の大熊座第二小宇宙団は、4万キロにものぼります。これをハップルの法則と言います。宇宙が膨張していると考えるとアインシュタインの一般相対性理論の宇宙論と一致します。

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